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【シンガポール】PPH申請で公式手数料30%払い戻し ― 2027年末までの試行的取り組み

シンガポール知的財産庁(IPOS)は、2025年9月12日付通達第4/2025号に基づき、特許審査ハイウェイ(PPH)の申請者に対し、調査・審査請求の公式手数料の30%を払い戻す試行的取り組みを開始しました。
本制度は 2025年9月15日から2027年12月31日までの期間限定で実施されます。

<制度の概要>
・対象期間:2025年9月15日~2027年12月31日
・対象となる請求:調査請求(PF11)、審査請求(PF12)、またはその両方
・払い戻し額(例)
 調査および審査請求:615シンガポールドル
 対応出願のISRや調査報告に基づく審査請求:426シンガポールドル
 IPOSが発行したISR/IPRPを有する国内段階出願の調査・審査請求:315シンガポールドル
・払い戻し方法:PPH申請が受理され次第、自動処理(追加申請不要)。処理期間は、受理から1~2か月程度。

<PPH利用のメリット>
・高い特許付与率:シンガポールのPPH出願の94%が特許付与
・迅速な審査:PPH申請から約10か月以内にファーストアクション発行
・効率性:約70%がファーストアクションで特許付与

<IPOSの狙いと効果>
本制度は、PPHの利用促進を目的として導入された。
PPHを活用することで、審査の効率化や出願人のコスト削減・早期権利化が期待される。
さらに、シンガポールでは国際的な知財ハブとしての魅力向上を目指す施策の一環として、この制度が検討されていると考えられる。

<出願人への推奨アクション>
・シンガポールに出願中、または今後出願予定の案件で 他国でクレーム許可済みのものがあるかを確認
・PPH申請が可能な案件は、試行期間中に積極的に活用することで 30%の手数料還付と早期特許取得が可能
・シンガポールの代理人と連携して、クレーム内容を海外で許可されたものに合わせて調整

<まとめ>
本取り組みは、出願人とIPOS双方にメリットがあることから、「Win-Win」といえる試行的制度です。
貴社のシンガポール特許ポートフォリオを見直し、コスト削減や早期権利化の可能性を高める好機としてご検討ください。

参考資料:https://isomer-user-content.by.gov.sg/61/a8f60347-b64a-4ecb-a034-f79a7b1ebd49/circular-no-4-2025.pdf
     Circular No. 4/2025: Pilot Initiative – Fee Savings for Using the Patent Prosecution Highway (PPH) programme

2025.10.01